退職を上司に申し出る前まで、1年間迷っていた。理由は、まずここ数年体調が悪かったからだ。特に1年半くらい前から半年くらい前までの1年間は最悪期だった。
原因は仕事だということはわかっていた。仕事がうまくいかないことが重なり、だんだんと遅れがちになり、さらに体調が悪くなったことで自分のパフォーマンスややる気が非常に落ちてきていた。結局周囲から、役職に見合う仕事をしていないなどの目で見られている気がして、伏し目がちになり、自信も持てない状態がひどくなってきていた。
毎日が不幸。これだけは確かだった。
急にこうなったわけではなく、だんだんとこんな状況になってきたので、周囲も、それが普通の状態だと認識しているのだろう。自分でも、体調がよくて、モチベーションが高い状態の仕事の能力や、前に進む力、意欲がどのような感じだったのかがわからなくなってきていた。体調すらも、これが普通なのか、悪いのかもわからなくなってきていた。しんどいと心と身体で感じていた。
内科では特に問題がなかった。おそらく毎日のストレスが少しずつたまっていたのだと思う。精神科に行くほどでもないとこのときは思っていたので、行っていない。
ごじゅろうは、新卒でこの会社に入社した。途中で異動もあったが、ここ15年は同じ仕事を続けている。同じ仕事の繰り返しで、何か新しいことを得ることも少なくなってきていた。この仕事しか自分いはできないような感覚と、他の仕事でうまくやれる気がしないという気持ちがあった。かといって、この仕事を続けていることで、非常に体調が悪くなっているし、何より、パフォーマンスが発揮できていないことが、何より苦痛だった。
例えると、毎日37度の熱があってなんとなくしんどい状態が365日続くような感じだった。頭痛、胸が苦しい、身体のなかに不快感がある、誰かにいらいらして感情的な対応をしてしまう。家族にも優しくできない。土日は寝ているだけ。何もやれる気がしない。
運動する気がおきない。ゴルフの打ちっぱなしも行かなくなった。無理、じっとしていたい。ごじゅろうも、ストレス解消には運動するということは知っている。しかし、意欲が起きない。一定のレベルまで回復する時間が必要だと思った。休む、少し元気になる、少し運動する、少しポジティブになってくる、徐々に良くなっていくループなのかと考えた。
キャリアの面でも限界だった。同じ仕事ばかりしていても、会社にしがみつくことしかできないが、それもいずれ限界がくるだろう。家族のためにと思って継続して会社で頑張っても、家族との関係は悪化することになるだろう。
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ごじゅろう=仮名(今回は、退職を上司に伝えてから実際に退職するまでの間、過去2年間を振り返って、筆者自身の実話を書いています)
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